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2009年12月25日 (金)

TypePadによる商用サイト構築の可能性(後編)〜 アライアンス・ポート 大和氏・山辺氏に聞く

前編 にひき続いて、アライアンス・ポートが TypePad を利用して構築したもう一つの事例を見てみよう。

  • 東京綜合写真専門学校オフィシャルサイト
  • 法人向けウェブサイト用 CMS としての選択肢
  • TypePad を選ぶことのメリット
  • サイトを更新していくことの大切さ

東京綜合写真専門学校オフィシャルサイト

【東京綜合写真専門学校】

Tokyo college of photography 東京綜合写真専門学校

2008年にリニューアルされた神奈川県横浜市にある東京綜合写真専門学校のウェブサイトも、設計から運用まですべて TypePad が利用されている。

トップページには前回紹介した「松本英明オフィシャルサイト」と同様、オンライン・フォト・ストレージサービス Flickr にアップロードした写真が配置されている。ただし写真の表示は Flickr のインターフェイスをそのまま利用するのではなく、API を使って取得した写真を Flash で表示するという処理がおこなわれている。その際サイズ調整も行われ、大きな写真は自動的にリサイズされるようになっている。

また、トップページ下部には学校関係者による写真展の情報をサムネイルと共に表示するスペースがある。この部分は、JavaScript を使って該当するエントリーから写真の URL を抜き出して整形のうえ表示するという多少アクロバティックな手法が取られている。

法人向けウェブサイト用 CMS としての選択肢

このように TypePadで あっても、Movable Type によって構築されたものと比べ、なんら遜色のないレベルのサイトを開発することは十分可能だと大和さんは語る。

Movable Typeと比べたときに、特にカスタマイズ性能においてウェブサービスならではの制約が多いことは事実です。特に現在『MTIf』や『MTSetVar』、『MTGetVar』といった条件分岐や変数に関する MT タグが実装されていないのは、正直なところ Movable Type で培ってきたテクニックを活かすという意味ではかなり厳しいです。とはいえ、決して単純な表現しかできないわけではなく、このサイトのように外部サービスを利用したり、JavaScript や CSS を使い、TypePad でも工夫次第ではかなり高度な表現が可能です。(大和さん)

もちろんリニューアルに当たって、より機能が豊富で開発もしやすい Movable Type を採用するという選択肢もあったのだが、この案件の場合、リニューアル前のサイトが TypePad を使って運用されており、すでにユーザーが TypePad の管理画面による更新作業に慣れていたという事情があったため、TypePad の正式採用を提案したという。

TypePad を選ぶことによるメリット

いわゆる ASP 型のブログサービスは TypePad 以外にも多数存在する。それら競合サービスと比較してみた時の TypePad の優位性はどこにあるのだろうかという問いに、大和さんは『MTタグ』が使えることだと即答してくれた。これはどういう意味だろうか?

MT タグはプログラマーではなくデザイナーが、直接 DB(データベース)の中にある情報を利用して動的なデザインをすることができる数少ない言語のうちの一つなんです。こんなに非プログラマー(デザイナー)にも普及していて、情報も多く HTML の延長線上で理解がしやすいスクリプト言語は他にないと思います。(大和さん)

もちろん PHP や Perl といった言語でも DB の利用は可能だが、非プログラマーがこれらの言語を習得するのは少し敷居が高い。

MT タグはウェブ上に資料も多いし、書籍も多数出版されているので、デザイナーがプログラムを覚えようとする時に習得しやすいですし、教育する場合も HTML、CSS といった基礎的な技術の延長線上で教えることが出来るので実践的で且つ教育コストも低くすみます。そういう意味では、ウェブデザイナー視点でいうと TypePad や Movable Type 自体もそうですが、そのデザインを作るうえで『 MT タグを理解している』ということがデザイナーの表現力や発想するうえでは有利に働くこともあります。海外はわかりませんが、日本での MT タグの需要という意味では、弊社ではデザイナーは自分自身で HTML や CSS はもちろん MT タグについても習得するべき言語の一つと位置づけています。また、他の技術や言語を習得する基礎としても非常に有効だと考えています。(大和さん)

また、TypePad で構築したサイトは、比較的簡単に Movable Type に移行できるというメリットもある。

TypePad で構築したサイトは、サイドバー系のモジュールや『タイプリスト』など一部 TypePad に特化した要素をのぞいて、基本的にデザインやデータは Movable Type に簡単に移植することができます。例えば最初は個人事業主だった人が、会社として規模を拡大するような時に、TypePad を使用しているのであれば、その資産を引き継いだまま、Movable Type を使った複雑なサイトを構築し、移行していくことができるのです。他のサービスと違い、同じ MT タグを使っているアプリケーションがあるということがここでも活かされていると思います。(山辺さん)

会社の規模にあわせて段階的にウェブサイトをステップアップしていくことができるのも、TypePad と Movable Type、そして Movable Type Enterprise という基本設計を同じくするプロダクト群を揃えた Six Apart 社製品同士の互換性メリットといえる。

サイトを更新していくことの大切さ

最後に大和さんはウェブサイトを運営していくにあたって、担当者が必ず心がけておくべきことについて話してくれた。

ブログに限らず、ウェブサイトは更新する意志がなければ絶対に失敗します。ですからお客様には最初の話し合いで『更新するコストを支払う気持ちはありますか?』という話しを必ずします。一つの例として『300 個エントリーを書くつもりでやりましょう』といいます。サイトの成功のためには、それくらいのコストを支払う覚悟が必要だと考えているからです。(大和さん)

活気あるサイトにするためには、ある程度の量を定期的に更新することで、読者からの信頼を得ることが一番大事だという。

インターネットの世界も、実際の社会の一部なのですから、実生活と同じように『信頼』という生活モデルで動いていると考えています。なぜなら、そのモデルを運用しているのは、同じ人間だからです。ですから読者の信頼を勝ち取っていくためには、普段の行動規範と照らし合わせて大きくずれないことや、自分がやってもらったときにうれしいことを相手にもやれば良いのではないかと思います。最初から CGM やバズといった夢物語を期待して始めるべきではありません。もちろんそういうことがあるかもしれないですが、あくまでもそれは結果でしかないのですから。(大和さん)

【今回お話をうかがったアライアンス・ポートの大和さん(左)と大和さん(右)】

お話をうかがったアライアンス・ポートの大和さん(左)と大和さん(右)

まとめ

お話をうかがっていて印象にのこったのが、新規でサイトを立ち上げる案件だけでなく、「東京綜合写真専門学校」のように、すでに TypePad で運用しているブログをリニューアルし、さらに『ホームページ』として拡充するというニーズにも、TypePad とプロのデザイン会社とのタッグであれば対応できるということです。

そのとき、日本全国約 400 社からなるシックス・アパートのパートナーネットワーク『ProNet』に所属する経験豊富なウェブ制作会社に依頼することで、事業に貢献するウェブサイトが構築できるというわけです。

もしも「新たに TypePad を使ってサイトを立ち上げたい」もしくは「すでにある TypePad で運用しているブログをリニューアルしたい」という要望をお持ちで、「自社ニーズにあった制作会社を紹介してほしい」という場合は、以下フォームからお問い合わせください。

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